はい、今回は大阪府岬町にある「小島古墳(こじまこふん)」を紹介します。岬町の小島地区にあるので小島古墳という、ストレートな名前の古墳ですが、実は見つかっている限りでは、大阪府最南端の古墳と思われます。
そんな、大阪府最南端の古墳が岬町にあると聞いたからには、見に行かずにはいられません。ということで、大阪府岬町にある「小島古墳」へ行ってきました。
小島古墳とは
岬町は大阪府最南端に位置し、和泉山脈を挟んで和歌山市と接しています。岬町と聞くと「こぢんまりとした町」を想像するかもしれませんが、実は大阪府の市町村の中で10位という、意外な広さを誇ります。ただその大半は和泉山脈の山間部で、平野部は大阪湾沿いのわずかなエリアしかありません。

しかし沿岸部にあり古くから漁業や水運で発展していたようで、岬町には数多くの古墳が存在しました。ただ、平地が少ないゆえに戦後の宅地開発で多くの古墳が失われています。
岬町の古墳は、淡輪ニサンザイ古墳や西陵古墳一帯に集中していますが、小島古墳はそれらからかなり南に位置する独立墳です。今回は小島古墳の近くにある「道の駅 とっとパーク小島」に車を停めて向かいます。

ここは海釣り公園と一体化しているという珍しい道の駅です。道の駅から海側へ桟橋のように道が続いており、そこから釣りができるようになっています。釣り場の手前の展望台までは無料で行けるので、行ってみることに。

夕方近くに訪れましたが、釣り客は結構いるようです。主要幹線から離れた場所にありますが、駐車場には満車になったときの注意書きが掲示していたので、早朝などはもっと混んでいるのかもしれません。


桟橋から南を見ると、陸から突き出た岬が見えますが、あの岬に小島古墳が存在します。岬なのに「小島」という少し不思議な地名ですが、かつては文字通り独立した島でした。それが砂洲(さす)の発達によって陸続きになり、現在の姿になったとのこと。

なかなか珍しい施設も楽しめたので、小島古墳へ向かいます。小島古墳は、道の駅から5分ほど歩いた小高い丘の上にある集会所の隣に存在します。


坂を登ると集会所の駐車場が広がっています。目的の小島古墳は、駐車場の端に存在しました。

まあまあの茂みですね
事前情報から茂みと分かっていましたが、実際に行ってみても茂みでした。小島古墳は直径15m、高さ2mの円墳と考えられています。ただ現在、北西部は駐車場になっており、一部削平されているようです。

周辺からは須恵器の壺や、器の横に穴が空いた液体用の器である「はそう」の破片などが多数見つかっています。どうやら古墳の目の前で、こうした土器を使った墓前祭祀が行われていたようです。
小島古墳の埋葬施設は、横穴式石室を持ちます。岬町の沿岸部の集団は、それまで「箱式石棺を直葬」という独自のスタイルで古墳を造っていましたが、6世紀中頃にはなぜか古墳造りをやめてしまいます。ところが、それから少し遅れた6世紀後半になって、この小島地区に突如として横穴式石室を持つ小島古墳が造られています。
小島古墳の北東700mには川があり、その河口の小砂丘に小島東遺跡が存在します。この遺跡は、弥生時代終末または古墳時代初から5世紀末を中心とした製塩遺跡であることが分かっています。
この点から、小島古墳は、時として小島東遺跡で製塩を行い、そして漁業・水運、小規模な水田をも経営する集団の首長墓ではないかと考えられています。おそらく古代の名族である紀氏の勢力下であったことから、紀氏ともつながりを持ち、周辺では一定の勢力を持っていたのでしょう。そうしたことから、周辺では数少ない独立墳を築けるほどこの集団の首長は力を持っていたのかもしれません。
そんなわけで、謎の茂みを見つめていたら登れそうな茂みの切れ目を発見しました。これは登れるということだろうと思い登ってみることに。

墳頂にはいくつかの石材が積まれていましたが、石室の石材なんでしょうか?

資料によると、墳頂崩壊部には横穴式石室が露呈しているとあったので、側壁の一部なのかもしれません。

よくみると、石が積まれたところにお地蔵さんが祀られていました。後ろ木にはほうきとチリ取りが置かれていたので、信仰の場として定期的に管理されているようです。

というわけで、集会所の横にあるなぞの茂った盛り土を夕方にウロウロしてるのも怪しいので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ

今回は大阪府岬町にある「小島古墳」を紹介しました。大阪で海際にある古墳というのは珍しいので、大変貴重な史跡ではないでしょうか。ただ本格的に調べられていないようなので、今後の更なる調査を期待したいところです。お地蔵さんが祀られているので難しいかもしれませんが。
ということで、小島古墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、岬なのに小島な古墳を紹介します。
小島古墳詳細
| 古墳名 | 小島古墳 |
| 別名 | 無し |
| 住所 | 大阪府泉南郡岬町多奈川小島904 |
| 墳形 | 円墳 |
| 規模 | 直径15m |
| 高さ | 2m |
| 築造時期 | 6世紀後半頃 |
| 被葬者 | 不明 |
| 埋葬施設 | 横穴式石室 |
| 石室全長 | 不明 |
| 指定文化財 | なし |
| 出土物 | 須恵器壺片、瓦質土器片・はそう片 |
| 参考資料 | 淡輪磯山古墳群 : 大阪府泉南地方在地集団の古墳の研究 |
