はい、今回は兵庫県三田市にある「奈良山7号墳(ならやまななごうふん)」を紹介します。奈良山7号墳は、奈良山に築かれた12基から構成された奈良山古墳群の一つ。
この奈良山7号墳ですが、一つの墓壙に2つの棺が納められていたという珍しい古墳として知られています。一つの墓壙に2つの棺が納められていた古墳があると聞いたからには、見に行かずにはいられません。そんな訳で、兵庫県三田市にある「奈良山7号墳」へ行ってきました。
奈良山7号墳とは
奈良山7号墳のある、兵庫県三田市にやってきました。兵庫県は日本で最も古墳の多い県であり、三田市にも多数の古墳が点在しています。ただし、その大半は山中にあるため、気軽に見学できる古墳は限られています。しかし、奈良山7号墳は公園内に整備されており、訪れやすい古墳の一つ。
奈良山古墳群は、ウッディタウンと呼ばれる新興住宅地内に存在します。この地域は「すずかけ台」「あかしあ台」「けやき台」「ゆりのき台」の4地区に分かれており、奈良山7号墳は「けやき台」の奈良山に築かれています。
ウッディタウン内にはかつて多数の古墳がありましたが、宅地開発により大半が消滅しました。現在、この地域に残る古墳は奈良山古墳群の一部と、有鼻1・2号墳のみです。

奈良7号墳は、12基から構成された「奈良山古墳群」の一つ。奈良山古墳群は、標高170m~215m付近に東西に並び築造されています。このうち7、12号墳が整備されて、中央公園内に保存されています。ちなみに残りの古墳は消滅したわけではなく、いくつかは公園内のどこかにあるようです。その中で1、2号墳は4世紀代、3~11号墳は6世紀代、そして最後の12号墳は7世紀代の築造と考えられています。それぞれ近い場所に築造されていますが、連続性があるのかについては分かっていません。

そんな訳で、奈良山7号墳のある中央公園にやってきました。ウッディタウンの真ん中にある公園なので「中央公園」と思いますが、名前の無機質感が半端ありません。8月の昼間に訪れたのですが、あまりに暑すぎるためか誰もおらず。

公園名も無機質ですが、古墳への案内板も「古墳」しか書いません。せめて古墳名ぐらいは書いておいてもいいのではないでしょうか。

公園ですが、奈良山ということで古墳は山の中に存在します。異常な暑さと湿度の中、誰もいない山道を歩くのは中々の狂気感があります。ちなみに誰一人としてすれ違うことがありませんでした。

こちらが奈良山の山頂付近の広場。ここから東に行くと奈良山7号墳、南西に行くと奈良山12号墳が存在します。道は整備されているものの、誰もいない鬱蒼とした山の中を一人で歩くというのは、まあまあ不安感があります。

広場から少し歩いたところにブロックで囲まれたところがあり、ここが奈良山7号墳のようです。古墳の手前には案内板が置かれていますが、また独特なオブジェが置かれていました。いやこれは本当に何者なんでしょうか?

奈良山7号墳は6世紀中頃に築造された、直径16.5m、高さ3mの円墳。埴輪、葺石、周濠などは存在しなかったようです。発掘調査により、3基の木棺が直葬されていたことが分かっています。

奈良山7号墳の特徴として、1つの墓壙に2つの棺が並列して埋葬されていた点にあります。これは「一墓壙二棺並列葬」と呼ばれるらしく、珍しい埋葬方法とのこと。調査結果から、2人の被葬者が同時に埋葬されたと考えられています。この2棺が納められた墓壙からは、直刀、鉄鏃、刀子、蓋坏、高坏、堤瓶などの須恵器や鉄器が出土しています。
そんな訳で、奈良山7号墳を見てみることに。とりあえず墳丘に上ってみましたが、特になにも無く茂みしか見えません。ちなみに、この7号墳の少し西にも6号墳があるようですが、かなりの茂みで近づくのは無理でした。

珍しい埋葬方法の古墳ですが、見た感じは低い盛り土しかありません。誰もいない古墳の墳丘に仁王立ちしていましたが、恐ろしいぐらい虫が寄ってきたので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ

今回は、兵庫県三田市にある「奈良山7号墳」を紹介しました。一つの墓壙に2つの棺が納められたという珍しい古墳ですが、行ってみるともれなく低い盛り土を見ることができます。低い盛り土が見たくて仕方がない人にはお勧めの古墳ではないでしょうか。
そんな訳で、奈良山7号墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、一つの墓壙に2つの棺が納められている古墳を紹介します。
奈良山7号墳詳細
| 古墳名 | 奈良山7号墳 |
| 別名 | 無し |
| 住所 | 兵庫県三田市けやき台2丁目3 |
| 墳形 | 円墳 |
| 直径 | 16.5m |
| 高さ | 3m |
| 築造時期 | 6世紀中頃 |
| 被葬者 | 不明 |
| 埋葬施設 | 木棺直葬 |
| 石室規模 | 無し |
| 出土物 | 直刀、鉄鏃、刀子、蓋坏、高坏、堤瓶 |
| 指定文化財 | 無し |
| 参考資料 | ・案内板 ・兵庫県史 ・北摂ニュータウン内遺跡調査報告書 1 |
案内板
奈良山7号墳
6世紀中頃から後半(約1,450年前)に造られた直径16.5m、高さ3.5mの円墳で、3ヵ所から木棺を直接に埋めた墓が見つかった。墓の中から直刀、鉄鏃、刀子が、外から馬具と多量の須恵器が蓋坏、高坏、堤瓶の各グループに分けられて納めてあった。堤瓶グループのなかに土の玉3個を入れた「はそう」と呼ぶ土器があり、左右に振ると「カラ、カラ、カラ」と音がする。古墳時代の人々も鳴らしていたのだろか。
