はい、今回は兵庫県神戸市にある「北神第9地点遺跡1・2号墳(ほくしんだいきゅうちてんいせきいち・にごうふん)」を紹介します。とてつもなく長い名前の古墳ですが、この2基の古墳はマンションの敷地内に保存されています。
隣り合うように2基の古墳が並んでいる1、2号墳ですが、両古墳の築造時期には200年もの開きがあるようです。隣り合ってるのに200年もの開きがある古墳があると聞いたからには、見に行かずにはいられません。そんな訳で、兵庫県神戸市にある「北神第9地点遺跡1・2号墳」へ行ってきました。
北神第9地点遺跡1・2号墳とは
北神第9地点遺跡1・2号墳のある、兵庫県神戸市に来ています。全国で一番古墳が多い兵庫県ですが、神戸市北区には古墳が多くありません。ただこの一帯は、武庫川水系から丹生山系を経て播磨の加古川水系に通じる場所ということで、交通の要衝だったようです。
古墳が存在する「鹿の子台(かのこだい)」は昭和54年に開発された住宅地で、開発時に多くの古墳が見つかっています。ただ大半の古墳が失われ、現在は北神第2・3・13地点古墳、北神第9地点遺跡1・2号墳のみが保存されています。

そんな訳で、神戸市北区に行く用事があったので、北神第9地点遺跡1・2号墳へ寄ることに。鹿の子台は住宅地として開発されているため、古墳がありそうな雰囲気はありません。ただ山を切り開いた場所にあるため、外縁部にはいくつかの古墳が残されています。

北神第9地点遺跡1・2号墳も鹿の子台の東端に存在し、現在はマンションの敷地内の一角に保存されています。マンション内には空いた駐車場がコインパーキングになっており、アクセスは非常に良好。ただこの古墳をワザワザ見にここまで来る人は少ないかもしれませんが。

マンション内を歩いていると敷地の概略図があり、左上には「古墳(埋蔵文化財)」との記載がありました。ただ実際に古墳は2基あるのですが、なぜか前方後円墳のようなものが1基だけ記載されています。概略図を作るときに「この辺に古墳書いといて」と頼んだら、とりあえず前方後円墳を書いとこうとなったのでしょうか。

そんな訳で、マンションの北東部にある北神第9地点遺跡1・2号墳へ到着。古墳は一段高い場所にあり、周囲はフェンスに囲まれているため中に入ることはできません。夏場に訪れたということで、雑草が生い茂っています。

上から見ると何となく古墳と分かりますが、西が1号墳で東が2号墳。

1号墳は、4世紀代に築造された、東西14m、南北11mの方墳。葺石、埴輪、周濠などの外部施設についての情報はありません。埋葬施設は、長さ3.6mの割竹形木棺を直葬。ただ木棺はすでに腐敗して失われています。棺の周囲からは、土師器の壺や甕の破片が出土。

2号墳は、6世紀代に築造された直径15mの円墳。こちらも埴輪や周濠などの外部施設についての情報はありません。埋葬施設は3基あり、それぞれ箱型木棺が直葬されています。

東側木棺は長さ3.2m、幅60~80cmで、木棺の底に排水溝が設けられていました。木棺内から300点以上の土玉や管玉と、排水溝から鉄剣が出土。棺の外からは、須恵器杯・壷、皮袋形の提瓶が見つかっています。中央木棺は長さ2.4m、西側木棺は長さ1.7m。どちらの棺内からも須恵器の杯が出土していますが、元々は棺の上に置かれていたものと考えられています。


隣り合う2基ですが、1号墳は4世紀代、2号墳は6世紀代ということで、築造時期の開きが最大200年近くあります。どちらの古墳も竪穴式石室でも横穴式石室でもなく、棺を直葬しています。また1号墳は副葬品がなく、2号墳も遺物としては質素なものばかりでした。1号墳と2号墳の被葬者の間に関連性があったのかは不明ですが、どちらの被葬者もあまり大きな力を有した豪族ではなかったのかもしれません。

とりあえず古墳をじっくり見てみたいのですが、一段高い場所にある上フェンスに囲まれて近づくこともできません。また案内板も置かれているのですが、こちらも擁壁上のフェンス内にあるため、かなり見にくい場所にあります。

マンション内で擁壁をよじ登りフェンスにへばりついたりしていると怪しさ抜群なので、あきらめて帰ることにしました。
まとめ

今回は、神戸市北区にある「北神第9地点遺跡1・2号墳」を紹介しました。隣り合う古墳にもかかわらず、200年近く離れている珍しい古墳でした。それぞれの古墳に関連性があるのか気になるところです。
そんな訳で、北神第9地点遺跡1・2号墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、隣り合う古墳の築造時期に開きがある古墳を紹介します。
北神第9地点遺跡1・2号墳詳細
| 古墳名 | 北神第9地点遺跡1・2号墳 |
| 別名 | なし |
| 住所 | 兵庫県神戸市北区鹿の子台北町2丁目7 |
| 墳形 | 1号墳:方墳 2号墳:円墳 |
| 規模 | 1号墳:東西14m、南北11m 2号墳:直径15m |
| 高さ | 1号墳:不明 2号墳:不明 |
| 築造時期 | 1号墳:4世紀代 2号墳:6世紀代 |
| 被葬者 | 不明 |
| 埋葬施設 | 1号墳:木棺直葬 2号墳:木棺直葬 |
| 石室規模 | 無し |
| 出土物 | 1号墳:土師器壺・甕 2号墳:土玉、管玉、鉄剣、須恵器杯・壷、皮袋形の提瓶 |
| 指定文化財 | 無し |
| 参考資料 | ・案内板 ・神戸市埋蔵文化財センターHP |
案内板
北神第9地点遺跡
1号墳
北神第9地点遺跡1号墳は4世紀に造られた、東西14m、南北11mの長方形の古墳です。埋葬施設は丸太を縦に半分に割って、中を刳りぬいた割竹形木棺でした。棺に使用された木材はすでに腐っていましたが、 その痕跡から棺の長さは3.6m、直径は0.6~0.7mもある長大なものであったことがわかりました。棺内には副葬品はなく、棺の付近に土師器の壺や甕の破片が出土した のみでした。
2号賁
北神第9地点遺跡2号墳は、1号墳の東側に接して6世紀前半に造られた、直径15mの円墳です。埋葬施設は箱型の木棺をそのまま埋めたもので、3基の木棺が並んでいました。東側の木棺が最も長く3.2mあり、中央の木棺は2.4m、西則の木棺が最も短く1.8mでした。
副葬品は、棺の棺内からに300点を越す土玉や管玉が出土しました。棺の回りからは、お供えに使った須恵器杯や壺のほかに、皮袋形是瓶という変わった形の器が出土しました。また鉄剣も出土しています。中央棺の内には副葬品はありませんでしたが、棺の外には須恵器の杯を伏せてその中に管玉やガラス玉が置かれていました。
西棺には棺の上に須恵器の杯と壺一緒に鉄製鍬先が置かれていました。
