はい、今回は兵庫県西宮市にある「高塚1号墳(たかつかいちごうふん)」を紹介します。高塚1号墳のある夙川エリアは、豪邸が建ち並ぶ高級住宅地として知られています。
高塚1号墳は、もともとは山の中にありましたが開発のため公園に移設されています。グーグルマップを見る限り墳丘のようなものがあり、魔改造されている可能性があります。魔改造古墳があると聞いたからには見に行かずにはいられません。そんな訳で、兵庫県西宮市にある「高塚1号墳」へ行ってきました。
もともと高松1号墳は山中にあった
もともと高松1号墳は、現在地から少し離れた山中に存在していました。その後開発計画が持ち上がったため、発掘調査が行われ現在地に移設されています。ちなみに高塚2号墳、3号墳もあったそうですが、早々に開発により消滅しています。
昭和30年ごろにはすでに古墳の原型はとどめておらず、正確な規模はわかっていません。わずかに残った封土から、直径約11mの円墳と推定されていいます。築造時期は6世紀末から7世紀初めとされ、埋葬施設は横穴式石室を有していました。石室も原型を留めておらず、東西の側壁と天井石の一部が失われています。
高塚1号墳の北側には、西宮・芦屋間では最大規模を誇る「八十塚古墳群」が存在します。高塚1号墳から出土した土器が、八十塚古墳群の出土物と共通することから、高塚1号墳も八十塚古墳群に属する可能性が高いとのこと。被葬者は不明ですが、この一帯を治める豪族の墓だったと考えられます。
古墳というか石でした
高塚1号墳のある兵庫県西宮市に来ております。今回は電車での訪問ということで、阪急夙川駅に降り立ちました。
昔からこの辺りは高級住宅地というイメージがありましたが、駅から少し歩くと豪邸が建ち並んでおり圧巻。
もともと山にあったというだけに結構な坂を上らされ、引き返そうかと思いました。
死ぬ気で坂を上り切ると、なにやら開発現場のような場所に到着。この場所にはマンションが建つとのこと。山の上にマンションを建てるので、眺めはかなりいいのではないでしょうか。この開発現場のどこかに、高塚1号墳があったようです。
そして開発現場の横に、高塚1号墳のある公園が存在します。夕方に訪れたということもあり、チビッ子は誰もおらず激写し放題。
公園内に入ってすぐのところに、高塚1号墳が存在します。案内板も設置されており、なかなかの親切設計。
しかし案内板を読んでみると、どうやらここにあるのは古墳ではなく横穴式石室に使われていた石だけのようです。
石室が再現されて移設保存されるパターンは結構あるのですが、バラバラになった石だけが転がっているパターンは初めて。いや、組み直してはいかがかと・・・
なかなか斬新すぎる保存方法で、真面目な古墳ファンなら怒るかもしれません。私的には、こんなフリースタイル保存は嫌いではありませんが。いや、それにしても自由過ぎる。
こちらが南側からの撮影。どうみても石ですね。これが石じゃないという人がいたら、1時間ほど問い詰めたいです。
こちらが北側からの撮影。どう見ても石でした。お疲れさまでした。
とりあえず石だけ見ていても仕方がないので、公園を歩いてみます。
公園の端には「とりあえず置いときました」という、とってつけたような遊具が置いてありました。まったくヤル気が感じられません。
さすがにこれにまたがってしまうと、不審率120%なので我慢しました。他に見どころもなく、石ばかり激写していても仕方がないので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ
今回は兵庫県西宮市にある「高塚1号墳」を紹介しました。魔改造どころか石が放置されているという、まさかのフリーダム古墳でした。いや、古墳と呼んでいいかギリギリですよこれは。もし高級住宅地にある公園で、謎の石を激写している人がいたら私ですので、そっとしておいてください。
というわけで、高塚1号墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、高級住宅地に保存された古墳という名の石を紹介します。
高塚1号墳詳細
古墳名 | 高塚1号墳 |
住所 | 兵庫県西宮市高塚町7 |
墳形 | 円墳 |
直径 | 11m |
高さ | 不明 |
築造時期 | 6世紀末頃~7世紀初め |
埋葬施設 | 横穴式石室 |
被葬者 | 不明 |
参考資料 | 案内板 |