はい、今回は奈良県三宅町にある「芝ぞえ古墳」を紹介します。名前から芝が綺麗な古墳を想像しますが、実は竹林が茂っているという、名前の付け方を間違えた古墳です。
何の特徴も情報もほとんど無い古墳ですが、芝が敷かれたと古墳かと思わせて竹林が茂っている古墳と聞いたからには、見に行かずにはいられません。そんな訳で、奈良県三宅町にある「芝ぞえ古墳」へ行ってきました。
芝ぞえ古墳とは
三宅町には、5世紀後半に築造された小型の前方後円墳が数多く存在します。この地は大和王権の直轄地である「屯倉(みやけ)」が置かれていたことから、三宅古墳群は屯倉を管理した一族の墓ともいわれています。
そんな訳で、奈良県三宅町にやってきました。三宅町は、斑鳩と飛鳥を結ぶ「太子道」が通る場所ということで、聖徳太子ゆかりの史跡がいくつか存在します。聖徳太子も、多数の古墳を目にしながら、飛鳥と斑鳩を行き来したのかもしれません。
7月に訪れたのですが、日陰のない炎天下を歩くのは非常に無謀だと分かりました。この日はまとめて10基ほどの古墳を訪問する予定でしたが、5基目ぐらいで暑さにやられて生命の危機を感じた次第です。
芝ぞえ古墳は、三宅古墳群の中では南部に位置し、ここより南にある古墳は「天王古墳」のみ。芝ぞえ古墳を目指して田園地帯を歩いていると、柵に人形の頭部が刺さってました。もう完全にホラーでしかありません。
美容院で使用するカット用の人形に見えますが、ロープでガチガチに括り付けられており、絶対外さないぞという設置者の強い意志を感じます。もしかしたら鳥などの鳥獣対策なのかもしれませんが、普通に人間が一番驚くのではないかと。
そんなホラーなオブジェを少し南に歩き、細い農道を進んだ先に「芝ぞえ古墳」が存在します。
芝というか竹林ですね
ネーミング的には、芝ぞえ古墳というよりは竹ぞえ古墳のほうがいいかもしれません。ちなみに古墳は360°を畑に囲まれており、近づくことができません。細いあぜ道を抜ければ行けそうな気もしますが、私有地である可能性もあるため、遠くから見つめるだけに。
三宅町の古墳で名前のついている古墳には、比較的案内板が置かれているのですが、訪問しにくい立地にあるためか案内板はありません。
芝ぞえ古墳は、発掘調査が行われていないため、詳しいことは分かっていません。現在は周囲を削られて直径30mほどの円墳ですが、本来は全長50m程の前方後円墳だった可能性もあるようです。
築造時期は不明ですが、三宅古墳群が5世紀後半に築造されていることから、同時期ではないかと思われます。その他、埋葬施設や被葬者についても不明。とにかく何もわかりません
雑木林になっている盛り土古墳はよく見かけますが、竹林が茂る盛り土古墳はもしかすると少ないかもしれません。だから何だと言われても困るのですが。
そんな訳で、盛り土に茂る竹林をみつめていても仕方がないので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ
今回は、奈良県三宅町にある「芝ぞえ古墳」を紹介しました。名前からして芝生が敷かれたような古墳ですが、行ってみると竹林が生えているという謎の古墳でした。入れない、情報がない、見た目もよく分からないという、野良古墳3拍子がそろった古墳ですが、いつか整備されて名前通り芝生が敷かれた古墳になるのを祈るばかりです。
そんな訳で、芝ぞえ古墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、名前に芝がつくけど竹林が茂る古墳を紹介します。
芝ぞえ古墳詳細
古墳名 | 芝ぞえ古墳 |
住所 | 奈良県磯城郡三宅町伴堂354 |
墳形 | 不明 |
直径 | 現状:30m |
高さ | 不明 |
築造時期 | 推定:5世紀後半 |
被葬者 | 不明 |
埋葬施設 | 不明 |
出土物 | 不明 |
参考資料 | 不明 |