はい、今回は奈良県大和高田市にある「大谷古墳群(おおたにこふんぐん)」を紹介します。大谷古墳群は、大谷山自然公園内に保存され、2基の古墳から構成されています。
公園内に保存された2基の古墳ですが、なぜかそれぞれ異なる状態で保存されています。果たして2基の古墳はどんな状態で保存されているのか?それを確かめるべく、大谷古墳群のある奈良県大和高田市に向かいました。
大谷古墳群とは
大谷古墳群のある奈良県大和高田市にきています。大谷古墳群は、大和3大古墳群の一つ「馬見古墳群」に所属。馬見古墳群は「北群」「中央群」「南群」の3ブロックに分かれており、大谷古墳群は、「南群」に属しています。
南群は築山古墳を盟主として、周辺に多数の古墳が点在しますが、大谷古墳群は築山古墳とはやや距離が離れているため、関係性があるのかは不明。
そんな訳で、大谷古墳群のある「大谷自然公園」にやってきました。一応、駐車場もありますが、カオスな雰囲気が漂っています。
こちらが昭和感あふれる公園の案内板。文字が風化していますが、ちゃんと古墳があることが示されています。
本来は公園の南側が正面の入口ですが、駐車場のある裏手からも入ることも可能。訪問時が夏場という事で、なにやら鬱蒼としたオーラを発しています。
公園は丘陵地となっており、古墳群は階段上に存在しています。大谷古墳群がこの場所に築造されたのも、丘陵地であることが理由の一つでしょう。そして階段を上りきった先に、大谷1号墳が存在します。
はい、超茂み
公園ができた当時の資料ではキレイに整備されて登れていたようですが、今は完全に無理です。ただ夏場なので茂ってますが、もしかしたら冬場はいけるのかもしれません。
大谷1号墳は、直径33mの円墳。ただそれ以外に情報が無く、築造時期、埋葬施設、出土品などはわかりません。案内板があるので、この茂みが古墳であるという事はわかります。ただこの案内板に書かれているのは、築山古墳周辺の解説ばかり。大谷1号墳についてはほとんど触れられおらず、あまり参考になりません。
過去の写真では、このベンチの後ろに墳丘が見えるのですが、今は茂みしか見えません。こちらが古墳の東側で、完全に茂みです。
夏場の平日昼間ということもあり、謎の茂みは撮り放題なんですが、立ち止まっていると恐ろしい勢いで蚊が集まってくるので、2号墳へ。
途中に謎の構造物がありましたが、おそらくトイレのようです。カオスな雰囲気を醸し出していますが、表示がないので男子と女子の違いがわかりません。もちろん怖くて入れませんでした。
2号墳は、1号墳の少し南側に存在します。少し離れたところから見てみると、なにやら古墳らしからぬ雰囲気を放っています。
近づいてみると・・・
生垣魔改造が施されていました
小さな墳丘の周りをグルっと生垣により囲まれています。もしかしたら、何もないと封土が流出しないための対応なのかもしれません。実際のところはよくわかりませんが・・・
小さい古墳で、こちらは簡単に上ることができます。墳丘から東を見てみると、一帯の盟主墳である「築山古墳」を確認することができます。
大谷2号墳は5世紀頃に築造された直径13mの円墳。築造時には、葺石が施されていたとのこと。案内板が設置しており、1号墳よりは少し詳しめに記載されています。
ただ謎なのは、
この古墳は径13mの円墳で5世紀頃に創られたといわれている。古墳の型は、円墳の他に方墳や前方後円墳なぞがあり、古墳の当初は芝生や葺石で被われていたとされる。
円墳 方墳 前方後円墳
案内板より
と記載されており、太字の部分の意味がよくわかりません。どうみても「なぞがあり、・・・」と記載されており、もしかして円墳じゃなくて方噴や前方後円墳の可能性もあるの?と、取れなくもありません。あと一番下にある「円墳 方墳 前方後円墳」も意味がよくわかりません・・・
夏場の平日昼間ということで、公園内には人っ子一人もおらず、謎の生垣古墳を激写し放題なんですが、どこ角度から撮っても生垣しか見えないのでとりあえず帰ることにしました。
まとめ
今回は、奈良県大和高田市にある「大谷古墳群」を紹介しました。公園古墳としてよくある「茂み」&「魔改造」という2大要素を余すことなく盛り込んだ素敵な古墳といえるでしょう。特に2号墳の生垣は、どんな理由で設置されたのか気になって夜も眠れません。
という訳で、大谷古墳群の紹介はこの辺で。次回はまた別の、謎の茂みと生垣を備えた公園古墳を紹介します。
大谷古墳群詳細
古墳名 | 大谷古墳群 |
住所 | 奈良県大和高田市大谷711−12 |
墳形 | 1号墳:円墳 2号墳:円墳(推定) |
全長 | 1号墳:33m 2号墳:13m |
高さ | 1号墳:不明 2号墳:不明 |
築造時期 | 1号墳:不明 2号墳:5世紀頃 |
被葬者 | 不明 |
埋葬施設 | 不明 |
出土物 | 不明 |
参考資料 | 案内板 |
案内板(1号墳)
この古墳は径33mの円墳で築山古墳群の一つである。築山古墳群とは大和盆地を南北に縦走する旨味丘陵の最南端に位置し、陵墓参考地となっている長さ210m周濠のある築山古墳を中心に約10基ばかりの古墳をいう。築山古墳群については築山古墳を含めてまだなりたちはわからないことが多い。