なんだかんだと2023年に巡った古墳は、約130基。主に単独で訪れましたが、家族と出かける際に古墳をねじ込んだりと、あの手この手で巡りました。もちろん家族からは、大顰蹙。
訪れた多くの古墳がマイナーな盛り土や茂みなので、訪れても「茂みですね」か「盛り土ですね」しか感想がありません。しかし個人的にはそんな古墳が大好きなので、とても楽しく巡らせてもらいました。今回はその中で、特に印象深かった古墳ベスト5を紹介したいと思います。ぜひ、家族やパートナーと訪れて「しばくぞ」と言われてください。
5位 西山古墳
第5位は、奈良県天理市にある日本最大の前方後方墳の西山古墳。選んだ理由としては「初めて藪漕ぎ」を行った古墳だからです。古墳ファンの間でしばしば登場する「藪漕ぎ」とは文字通り、道無き道を藪をかき分けて古墳を目指す行為。
ただ西山古墳は、町中にある整備された古墳なので藪漕ぎする必要はありません。しかし訪問したタイミングが悪く草刈り前に訪れたため、想定外の藪漕ぎを初体験させてもらいました。ちなみにたどりついても茂みしか見えませんでした。次回は草が刈られた時期にリベンジしたいと思います。
4位 ボウジ1号墳
第4位は、奈良県三郷町にあるボウジ1号墳。こちらの古墳は、松永久秀の居城で知られる「信貴山」の近くに存在します。ほぼ山頂に築造された古墳ですが、周辺は「信貴山のどか村」があるため近くまでは簡単に行くことができます。
ただラストワンマイルが、小山の茂みに突撃する必要があり、私にとっては初めての本格的な藪漕ぎでした。茂みから道無き山に突入しますが、人の手が入らない山はまさに野生。迷いそうなるわ、服はボロボロになるわで準備と根性が求められると実感しました。下の写真でいうと、赤いドラム缶の脇ぐらいから突入してます。
15分ほど山をさまよって、無事古墳を発見。なかなか感動しましたが、単独で山奥にある古墳へ行くことはとんでもなく寂しくなるのが分かりました。ちなみに2号墳と3号墳もあるらしいのですが、歴戦の古墳ソルジャーでも見た人はいないようです。だれか奇特な人、一緒に探しに行きませんか。
3位 石宝殿古墳
第3位は、大阪府寝屋川市にある石宝殿古墳。大阪府にも多くの古墳が存在しますが、簡単に行くことができる間近に石室が見られる古墳は多くありません。石宝殿古墳は山の中にある古墳ですが、JR寝屋川公園駅から徒歩約30分ほどの比較的アクセスのよい場所。徒歩30分がアクセスが良いのかはさておき、山の古墳はルートが整備されているということが重要なんです。
石の宝殿古墳は、珍しい「横口式石槨」を有しており、しかもそれを間近で見ることが可能。横口式石槨はいくつか存在しますが、石の宝殿古墳のタイプは少なく、奈良県明日香村の「鬼の俎・雪隠」や奈良県斑鳩町の「竜田御坊山3号墳」など、あまり例がありません。一説には、皇族にしか用いられない「八角墳」との説もあり、皇族の墓であった可能性も。
ちなみに石槨中に入ることもできますが、私は中に入るのが怖い派なので外から見つめていました。
2位 安倍文殊西古墳
第2位は、奈良県桜井市にある安倍文殊西古墳です。安倍文殊院の中にある古墳で、現在は願掛け不動が祀られています。横穴式石室の多くは、自然石を組み合わして築造されています。しかし安倍文殊西古墳は、精緻に加工された切石を用いた構造を有しています。そんなに多くの古墳を見てきたわけではありませんが、安倍文殊西古墳は私が見た横穴式石室では、ダントツで完成度の高いものでした。
安倍文殊西古墳周辺は、阿倍氏の本拠地として知られています。古墳のグレードから、大化改新時に左大臣となった「安倍内麻呂」との説もあります。お寺の境内にあり、石室内は照明もついているため中にはいるのも怖さは感じません。横穴式石室の完成形ということで一見の価値はあるのではないでしょうか。
1位 五里山2号墳
栄えある第1位に選ばれたのは、大阪府東大阪市にある「五里山2号墳」です。古墳ファンでも「どこやねん」というマイナー古墳ですが、ここがなぜ印象が強かったかというと・・・
スズメバチの大群に
襲われたからです!
どうやら地面にスズメバチの巣を踏み抜いてしまい、気が付いたら目の前に見たことのないぐらいのスズメバチの大群が出現。なんとか逃げようとするも頭、背中、足など10ヶ所ほど刺されることに。頭に振り払ったスズメバチのお尻をくっ付けながら救急車を呼び、なんとか無事生還。皆さん、本当に謎の茂みにだけは注意してください。
ちなみに石室に入る手前で襲われたので、五里山2号墳がどんな古墳だったのかはサッパリわかりません。心の傷が癒えて、絶対スズメバチがいない時期にリベンジしたいと思います。
まとめ
今回は2023年に訪れた印象深い古墳ベスト5を紹介しました。様々な古墳を訪れて、一番衝撃的だったのがスズメバチには気をつけろということでした。皆さんも訳の分からない茂みに突撃する際は、十分に気をつけてください。2024年も死なない程度に古墳を巡っていきたいと思います。