クノギ古墳|神社とブルーシートの大融合古墳~奈良県橿原市~

クノギ古墳

はい、今回は奈良県橿原市にある「クノギ古墳」を紹介します。クノギ古墳は、墳丘に小さな神社が建つ古墳ですが、実はブルーシート全開古墳でもあるんです。

神社とブルーシートが大融合した古墳と聞いたからには見に行かずにはいられません。そんな訳で、大融合を確かめるべく、奈良県橿原市に行ってきました。

クノギ古墳とは

クノギ古墳のある、奈良県橿原市にきています。今回は、子供たちが「サッカーができるところに行きたい」、妻が「バラが見たい」というムチャな要望があり、その条件を満たすべく「橿原運動公園」にやってきました。

橿原運動公園は、プール、野球場、広場がある上、小さいながらもバラ園も置かれています。ただ、少し時期が遅かったのか、バラは少し枯れ気味でした…

クノギ古墳
クノギ古墳

そんな橿原運動公園から、徒歩5分ほどの場所に「クノギ古墳」は存在します。うん、ラッキーですね。公園で家族と分かれ、早速古墳に向かいます。もちろん家族は呆れていました。

近鉄の踏切を渡り西に歩いていくと、田園地帯が広がっています。少し歩くと集落端にある、クノギ古墳に到着。

クノギ古墳

全力でブルーシートですね!

クノギ古墳は、6世紀に築造された前方後円墳。元々は円墳と考えられていましたが、2010年の道路拡張工事に伴う発掘調査により、前方部を北北東に向けた前方後円墳と判明しています。前方部は道路により削平。ちょうど墳丘手前の道路辺りに前方部があったようです。

クノギ古墳

墳丘の裾には小さな祠が建てられ、地元では「野神さん」として崇められているとのこと。

クノギ古墳

独特な形をした灯籠が置かれていますが、片方の上部が砕けていました。ちなみに由緒や祭神は全く不明。とりあえず、野神さんにお参りをしておきます。

クノギ古墳

クノギ古墳からは円筒埴輪、朝顔形埴輪、形象埴輪、須恵器などが出土。他にも石器、弥生土器、瓦など古墳時代と関係無い遺物もあり、古墳に一体何が起こったのかというラインナップ。

発掘調査は行われたようですが、埋葬施設は不明。もちろん被葬者も分かっていません。クノギ古墳の1kmほど南には、約600基の古墳が集まる「新沢千塚古墳群」がありますが、それ以外には近くに古墳は見つかっていません。新沢千塚古墳群とも少し離れていることから、独立した古墳と思われます。

新沢千塚古墳群
新沢千塚古墳群

かつてクノギ古墳には草木が生え、墳頂に大きな木が立っていたようです。しかし現在はその木も切られ、墳丘全体をブルーシートが覆っていました。

クノギ古墳

こちらが東側から見たクノギ古墳ですが、ブルーシートしか見えません。お疲れさまでした。

クノギ古墳

原型を留めていない古墳ですが、祠が建てられていたから何とか残ったと思われます。ブルーシートが被せられて見た目は微妙ではありますが、古墳を維持するためには仕方がないのかもしれません。そんな訳で、謎のブルーシート盛り土を激写し続けても仕方がないので、とりあえず帰ることにしました。

まとめ

クノギ古墳

今回は、奈良県橿原市にある「クノギ古墳」を紹介しました。「神社+古墳」や「ブルーシート+古墳」の組み合わせは、たまにありますが「神社+ブルーシート+古墳」というのは中々珍しいのではないでしょうか。

もはや古墳マニアだけでなく、神社マニアやブルーシートマニアも満足させる希有な古墳といえるでしょう。ブルーシートマニアに会ったことがないのでわかりませんが。

そんな訳で、クノギ古墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の神社とブルーシートと古墳が大融合した古墳を紹介します。

クノギ古墳詳細

古墳名クノギ古墳
住所〒634-0828 奈良県橿原市古川町
墳形前方後円墳
全長不明
高さ不明
築造時期6世紀前半頃
被葬者不明
埋葬施設不明
出土物石器、弥生土器、円筒埴輪、朝顔形埴輪、形象埴輪、須恵器、瓦器、瓦
参考資料奈良県遺跡地図Web

-古墳, 奈良県
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