はい、今回は兵庫県神戸市にある「北神第13地点古墳(ほくしんだい13ちてんこふん)」を紹介します。北神第13地点古墳は、北神戸中学校近くで見つかった古墳ですが、鹿の子台小学校のグラウンドに移設保存されています。
この北神第13地点古墳ですが、保存された埋葬施設とは別に、レプリカの埋葬施設も墳丘に造られたという珍しい古墳です。移設保存された上にレプリカまであると聞いたからには見に行かずにはいられません。そんな訳で、兵庫県神戸市にある「北神第13地点古墳」へ行ってきました。
北神第13地点古墳とは
北神第13地点古墳のある、神戸市北区鹿の子台にきています。この一帯は、有馬と三田の中間地点に位置し、古くから交通の要衝として栄えていました。
古墳が見つかった鹿の子台は、昭和54年に開発された新興住宅地で、開発の際に数多くの古墳が出土。しかし開発で多くの古墳は失われ、現在は北神第13地点古墳の他に北神第2・3地点古墳だけが保存されています。
鹿の子台には弥生時代の竪穴式住居跡が見つかっているほか、様々な史跡が存在することから、この一帯には古くから集落が形成されていたようです。
北神第13地点古墳は北神戸中学校付近で発見され、現在は鹿の子台小学校のグラウンドに移設保存されています。という訳で、古墳が保存されている鹿の子台小学校へ。新興住宅地の小学校ということで、かなり広めの学校のようです。
北神第13地点古墳は、グラウンドの南西に保存。古墳は学校内に存在しますが、案内板は外側にもあるため、概要は分かります。
学校に見学を依頼すれば見れそうな気もするのですが、先生のお手間を取らすのも申し訳ないうえに、見たところで「石ですね」という感想しか出てこないのでフェンス越しに見るだけに。
ギリギリ竪穴式石室が見えます!
見えている竪穴式石室はレプリカで、本物はこの下に埋蔵保存されています。ちなみに案内板の写真によると、実際の竪穴式石室はこんな感じ。
北神第13地点古墳は、直径15mの円墳。埋葬施設が竪穴式石室であることから、古墳時代前期~中期に築造されたと思われます。埴輪、葺石、周濠の有無は不明。盗掘により副葬品の大半は失われていますが、ナイフ片と土器が出土。被葬者は不明ですが、この一帯を治めた有力者の墓と思われます。
フェンスの隙間から古墳を撮影していましたが、昼間からフェンスににじり寄って謎の盛り土を撮影していると怪しさ抜群なので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ
今回は、兵庫県神戸市にある「北神第13地点古墳」を紹介しました。小学校内に移設保存された上に、レプリカまで作られたという古墳ですが、残念ながら小学校内にあるためよく見えません。できることなら全世界50億人の古墳ファンのためにも、外側に保存して欲しいところです。
そんな訳で、北神第13地点古墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、小学校に移設保存されてレプリカまで作られたけど、外からは全然見えない古墳を紹介します。
北神第13地点古墳詳細
古墳名 | 北神第13地点古墳 |
住所 | 兵庫県神戸市北区鹿の子台北町6丁目33−11 |
墳形 | 円墳 |
全長 | 15m |
高さ | 不明 |
築造時期 | 不明 |
被葬者 | 不明 |
埋葬施設 | 竪穴式石室 |
出土物 | 刃物、土器 |
参考資料 | 案内板 |
案内板
北神第13地点古墳は、もともと北神戸中学校の南側にあった古墳です。昭和55年に調査が行われ、直径約15mの丸い古墳(円墳)とわかりました。古墳の中央には、人を葬るために石を積んで造った部屋(石室)が見つかりました。中は昔、盗掘されて、出てきたのはナイフのような刃物1点だけでした。石室の外にはお供えをするための器が置かれていました。調査の結果からこの古墳は今から約1500年前に造られた村の有力者の墓だと考えられます。
この古墳は調査が終わってから石室ごと切り取って運び、この位置に埋めて保存してあります。その上には、石室の副製品を置き、見学していただけるようにしています。
(平成5年3月 神戸市教育委員会)