はい、今回は兵庫県三田市にある「有鼻2号墳(ありはなにごうふん)」を紹介します。有鼻2号墳は、現在整備されて公園内に保存されているイージー古墳として知られています。
実はこの有鼻2号墳一帯には「有鼻遺跡」があり、縄文・弥生時代の遺跡が存在するとのこと。縄文・弥生時代の遺跡の上に古墳があると聞いたからには、見に行かずにはいられません。そんな訳で、兵庫県三田市にある「有鼻2号墳」へ行ってきました。
有鼻2号墳とは
有鼻2号墳のある、兵庫県三田市に来ています。兵庫県は日本一古墳が多い県ということで、三田市にも多数の古墳が存在します。しかし大半の古墳が山中に存在するため、気楽に行ける古墳は多くありません。その中で有鼻2号墳は整備されているため、三田市では気軽に訪れることができる古墳となっています。
有鼻2号墳一帯は、山を切り開いた通称「ウッディタウン」と呼ばれる新興住宅地。「すずかけ台」、「あかしあ台」、「けやき台」、「ゆりのき台」の4地区から構成され、有鼻2号墳は「けやき台」に存在します。
このウッディタウンの開発時には、縄文時代から中世の城跡まで数多くの史跡が見つかりました。その大半は消滅しましたが、有鼻古墳や奈良山古墳群などは、史跡公園として一部保存されています。
有鼻2号墳は、けやき台北端の丘陵地に存在し、この丘陵地からは縄文時代の石器や弥生時代の竪穴式住居跡が見つかっています。有鼻2号墳は、この丘陵の頂上付近から見つかりました。
そんな訳で、三田市付近に用事で来たついでに、有鼻2号墳へ寄ることに。有鼻2号墳は「けやき台公園」として整備されており、駐車場も完備。史跡公園ということで古墳以外にも、中世に築造された「風呂ヶ谷城址」もあるようです。ただ案内板はありますが、行くことはできないようで、茂みを見つめるのみ。
けやき台公園の一番高い場所に有鼻2号墳があるので行ってみます。ちなみに周りには人っ子ひとりいませんでした。そして上ったところに有鼻2号墳を発見。
微妙な盛り土ですね
墳丘はかなり低く、案内板がなければ、これが古墳と気づく人は少ないでしょう。墳丘はきれいな芝生になっているので、定期的に草刈りが行われているようです。
有鼻2号墳は、6世紀代に築造された径18m×16mの円墳。正円ではなく、やや楕円形という特徴を有します。封土はかなり流出しており、現在の高さは1.2mほど。
埴輪や葺石は見つかっていませんが、周溝が存在した可能性があるとのこと。遺物としては、須恵器が出土。埋葬施設は不明ですが、墳丘が低いことから、竪穴式系ではないかと考えられています。
ちなみに2号墳があるということで、すぐ北側に有鼻1号墳も存在します。ただ現在は茂みに取り込まれており、見た感じ茂みにしか見えません。こちらも発掘調査が行われる予定でしたが、時間が足りず断念したとのこと。1号墳の方が良い立地にあり、規模も大きいことから、2号墳に先行して築造されたと考えられています。
せっかくやってきたので、古墳の上に上ってみることに。だから何があるわけでもないのですが。
有鼻2号墳の南側には、弥生時代の竪穴式住居跡が存在したようです。ただ現在はそれらしきものも見あたらず、削平されたのかもしれません。史跡公園ですが、2号墳という謎の盛り土、1号墳という茂み、風呂ヶ谷城址という茂みを堪能できました。古墳を見に来たのか、茂みを見に来たのか分からなくなってきたので、とりあえず帰ることにしました。
まとめ
今回は、兵庫県三田市にある「有鼻2号墳」を紹介しました。縄文・弥生時代の遺跡の上に造られた古墳でしたが、縄文・弥生感は全くありませんでした。古墳感もあまりなく、微妙な盛り土感だけが味わえます。この微妙な盛り土感に興奮できる人には、オススメの古墳ではないでしょうか。
そんな訳で、有鼻2号墳の紹介はこの辺で。次回はまた別の、縄文・弥生時代の遺跡の上に造られた古墳を紹介します。
有鼻2号墳詳細
古墳名 | 有鼻2号墳 |
別名 | 無し |
住所 | 兵庫県三田市けやき台6丁目33−6 |
墳形 | 円墳 |
直径 | 18m×16m |
高さ | 1.2m |
築造時期 | 6世紀 |
被葬者 | 不明 |
埋葬施設 | 不明 |
石室規模 | 不明 |
出土物 | 須恵器 |
指定文化財 | 無し |
参考資料 | 案内板 |
案内板
有鼻遺跡
有鼻遺跡は、三田盆地の北西端、標高約190~210mの丘陵上に立地しています。その主丘陵稜線上の北端に有鼻1号墳、その南に有鼻2号墳が位置しています。現在地は2号墳の墳丘です。2号墳は、長軸約18m、短軸約16m、墳丘の高さ約1.2mを測る円墳です。確認調査において須恵器が出土しています。築造時期は6世紀後半、西暦650年から600年の頃で、この地域の有力者の墓と推測されます。