飛鳥千塚古墳群概要
羽曳野市の北東部に広がる飛鳥千塚古墳群は、139基もの古墳が集まる大規模な群集墳として知られています。この地域では、渡来系の技術や文化を背景に栄えた飛鳥戸氏(あすかべのうじ)が勢力を築いていたとされています。古墳群からは、渡来系の豪族とのつながりを示すミニチュアの炊飯具など、貴重な遺物も見つかっています。
その中でも観音塚古墳は、特徴的な埋葬施設で知られています。この古墳には、横口式石槨と呼ばれる、棺を納める空間に羨道や前室が付いた特別な構造が採用されています。横口式石槨は、7世紀の南河内で広く使われた先進的な埋葬施設と考えられており、飛鳥戸氏のような渡来系の有力者が埋葬された可能性が高いとされています。
また、飛鳥千塚古墳群には、観音塚古墳以外にもオーコ8号墳や鉢伏山西峰古墳など、横口式石槨を持つ古墳が7基以上存在しているようです。